「ムンク」と言えば、あまりアートを詳しく知らないという方でも、「叫び」という作品を知っている人は多いのではないかと思います。
有名すぎて、iPhoneの絵文字にも使用されていますよね。
「叫び」というタイトルなので叫んでいる様子が描かれていると思っている方がほとんどだと思いますが、実は違うのです。これは自然の叫び(幻聴)に対して耳を塞いでいる様子が描かれているのです。
美術大学に通っていた頃のアートヒストリーの教科書を読み直してみました。
英語でのタイトルは「The Scream」(1893年)になりますが、元々は「Despair」でした。「絶望」という意味になります。1894年にも「Despair」という作品を描いています。
そんな有名な「叫び」ですが、ムンク美術館所蔵の油彩・テンペラ画の「叫び」(1910年頃)は今回が初来日ということもあり、注目度が高まっています。
そのため、週末に行くと混雑している可能性が高いです。平日に行くことをおすすめしますが、土日休みという方にとっておすすめの時間帯がありますのでご安心ください。実は東京都美術館は、金曜日だけ夜8時まで開室しているので、この時間に行くことをおすすめします。
[alert title=”注意”]私は平日の午後に行ったのですが、他の展覧会に比べて混雑していたため、ある程度は混雑が予想されます。空いているわけではありませんので、ご注意ください。[/alert]
もくじ
1. ムンク展の概要
2. ムンクについて
3. ムンクの「叫び」について
4. 「ムンク展」の詳細
ムンク展の概要
近代絵画の巨匠エドヴァルド・ムンクの大回顧展が、2018年10月27日(土)から東京・上野の東京都美術館で開催しました。ムンクの生まれ故郷のノルウェーにあるオスロ市立ムンク美術館が所蔵する作品を中心に約100点を展示しています。そのうちが油彩60作品で、他に版画や写真なども見ることができます。
9つのテーマに分けて展示されているため、ムンクの作品を初めて鑑賞する方にとって分かりやすいのが特徴です。
ムンクとは誰か
家族:死と喪失
夏の夜:孤独と憂鬱
魂の叫び:不安と絶望
接吻、吸血鬼、マドンナ
男と女:愛、嫉妬、別れ
肖像画
躍動する風景
画家の晩年
ムンクについて
ムンクの作品から、人間の死や感情への関心が高いことがわかります。それを抽象的に表現している作品もあり、独特なスタイルが特徴です。
画家になることを希望していましたが、医者である父親の反対もあり、技師になるために工業学校に通うことにしたが、退学。その後、父親を説得して現在のオスロ国立芸術大学に入学。モネやゴーギャンなどの印象派の影響を強く受けています。
また、母親と姉の死の影響もあり、死に関してや感情を表現しています。
ムンクの「叫び」について
ムンクの「叫び」には4バージョンあります。1893年に2枚、1895年に1枚、1910年に1枚を描いています。今回来日したのは最後に描かれた「叫び」です。
ムンクは「叫び」について下記のように体感したものだと説明しています。
「僕は、2人の友人と散歩していた。日が沈んだ。突然空が血のように赤く染まり、僕は憂鬱な気配に襲われた。立ち止まり、欄干に寄りかかった。青黒いフィヨルド(氷河による浸食作用によって形成された複雑な形の湾、入江)と市街の上空に、血のような、炎を吐く舌のような空が広がっていた。僕は一人不安に震えながら立ちすくんでいた。自然を貫く、ひどく大きな、終わりのない叫びを、僕はその時感じたのだ
引用元:ウィキペディア
「ムンク展」の詳細
いかかでしたか。初来日のムンクの「叫び」を観たくなりましたか。注目度が高いため、混雑が予想されますので平日か、金曜日の夜に行くことをおすすめします。
割引引換券が置いてある書店があるので、チェックしてみてください。
出口のところにガチャガチャがあります。1回300円です。
ムンク展 共鳴する魂の叫び
会期:2018年10月27日(土)〜2019年1月20日(日)
会場:東京都美術館
住所:東京都台東区上野公園8-36
開室時間:9:30~15:30、金曜日は20:00閉室(入室は閉室の30分前まで)
閉廊日:月曜日、12月25日(火)、1月1日(火・祝)、15日(火)
参考文献:
Gardner’s Art Through The Ages The Western Perspective